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外国人雇用に必要な手続きとは?社労士が解説する外国人雇用に関する基礎知識

外国人雇用に関する現状

日本の令和3年6月末における在留外国人数は282万3,565人です。うち、特別永住者数は30万441人であり、中長期在留者数は、252万3,124人です。(出入国管理庁HPより)
厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」によると、外国人の雇用状況は、以下のとおりです。

就労している外国人労働者数は、1,727,221人。前年比2,893 人増加し、平成19年に届出が義務化されて以降、最高を更新。

外国人を雇用する事業所数は 285,080 か所で、前年比17,837 か所増加し、届出の義務化以降、最高を更新。

国籍別では、ベトナムが最も多く453,344 人 (外国人労働者数全体の26.2%)。次いで中国 397,084 人 (同23.0%)、フィリピン 191,083 人 (同11.1%)の順。

・在留資格別では、「特定活動」が 65,928 人 で、前年比 20,363 人 (44.7%) 増加、「専門的・技術的分野の在留資格」が 394,509 人で、前年比 34,989 人(9.7%) 増加、「身分に基づく在留資格」が 580,328 人で、前年比 33,859 人 (6.2% ) 増加。 一方、「技能実習」は 351,788 人で、前年比 50,568 人(12.6%) 減少、「資格外活動」のうち「留学」は267,594人 で、前年比38,963 人 (12.7%)の減少

広島県の外国人雇用状況

外国人労働者数は、36,547人で、前年同期比▲1,160人、3.1%の減少

外国人を雇用する事業所数は 5,796 事業所で、前年同期比+358事業所、6.6%の増加。 (平成19年に届出が義務化されて以降、過去最高を更新)

国籍別では、ベトナムが最も多く、14,051人(広島県内の外国人労働者数全体の38.4%)、次いで中国8,011人(同21.9%)、フィリピン5,467人(同15.0%)の順。前年同月比では、外国人労働者数の多い上位3カ国などで減少し、ネパールやペルーなどで増加

・在留資格別では、「技能実習」が15,001人と最も多いが、前年同期比▲2,532人、14.4%の大幅な減少。「専門的・技術的分野の在留資格」などで増加

広島労働局 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月現在)より抜粋)

外国人雇用企業の増加

外国人を雇用する企業は、年々増加しています。その背景には、日本の少子高齢化と人材不足があると考えられます。必要な人材の採用が難しい企業にとって、女性の雇用、高齢者雇用、障害者雇用と併せて、外国人の雇用は今後考えていく選択肢の一つです。

 

また、少子高齢化の日本では、内需だけでなく外需を拡大する必要があります。そのため日本の企業や日本人によるグローバル化の対応が進んだことも、外国人労働者の増加に一役買っていると考えられます。海外進出を考える企業や、海外に取引先がある企業は、外国人を雇用する大きなメリットがあります。

外国人の不法就労と不法就労助長罪

不法就労とは、下記の1、2に当たる就労です。

1.不法就労とは、我が国に不法に入国・上陸したり、在留期間を超えて不法に残留したりするなどして、正規の在留資格を持たない外国人が行う収入を伴う活動

2.正規の在留資格を持っている外国人でも、許可を受けずに、与えられた在留資格以外の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動

これらの不法就労外国人を雇用した事業主、不法就労となる外国人をあっせんした者等不法就労を助長した者は、入管法第73条の2により3年以下の懲役又は300万以下の罰金に処せられます

入管法では、不法就労した外国人だけでなく、不法就労を助長した事業主も処罰の対象となっています。外国人を雇用する企業は、知らずに不法就労を助長することがないよう注意する必要があります。

外国人雇用上の手続きの認知度の低さ

日本では、就労可能な在留資格を持つ外国人でなければ就労することはできません。その特性上、外国人を雇用する場合は日本人を雇用する場合と比べて採用前にチェックするポイントが多く、手続きも専門的なものになります。

外国人を雇用したいけれど、そもそもどうやって外国から外国人を召喚すれば良いのか、すでに日本在住の外国人はそのまま採用してもよいのか、など、初めて外国人雇用をお考えの企業は疑問が山積みだと思います。以下の記事で、外国人雇用の手続きをご確認ください。

外国人雇用を検討する際に確認すべきこと

外国人雇用をご検討の企業様が確認すべきことを以下のとおりまとめております。

職種内容に合わせた在留資格の決定

在留資格は、大きく分けて「就労が認められる在留資格」、「身分・地位に基づく在留資格」、「就労が認められない在留資格」に分類することができます。雇用する外国人の何の在留資格で雇用するのかを明確にする必要があります。

①就労が認められる在留資格

就労が認められる在留資格には、「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能」、「技能実習」、「高度専門職」等があります。

②身分・地位に基づく在留資格

身分・地位に基づく在留資格には、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「永住者」、「定住者」があります。これらの資格を持っている外国人は労働の制限がないため、日本人と同様に、就労することが可能です。

③就労が認められない在留資格

就労が認められない在留資格には、
文化活動」、「短期滞在」、「留学」、「研修」、「家族滞在」があります。
上記の在留資格は、日本で就労することが目的ではないため、原則として就労をすることができません。

例外として、無収入のまま日本での生活を営むのは経済的負担が大きいという理由で、「資格外活動許可」を取得すれば、アルバイトでの就労が可能となりますが、
原則として就労を目的としていない在留資格のため、本来の目的が達成できる範囲内での就労に限定されます。

例えば、「留学」の在留資格は本来、就学することです。
「資格外活動許可」を得てアルバイトを行う場合には、アルバイトに時間をとられ学業が疎かにならない範囲でのアルバイトが認められますが、週28時間を超えてアルバイトを行うことができないという就労時間の制限が設けられています。

技人国(技術・人文知識・国際業務)の在留資格で就労できる職種とは

技術・人文知識・国際業務の在留資格に該当するためには、前提として、学術的な素養を背景とする一定水準以上の専門的技術又は知識を必要とする職務、又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を必要とする職務でなければいけません。いわゆる単純労働の職務は該当しません。

◆技術…理系の仕事

例えば、システムエンジニア、プログラマー、設計、生産技術など

◆人文知識…文系(社会科学分野を含む)の仕事

例えば、営業、財務、人事、総務、企画、商品開発、コンサルティングなど

◆国際業務…外国人だからこその考え方や感じ方を活かす仕事

例えば、翻訳、通訳、民間学校の語学教師、服飾や広告のデザイナーなど

技能実習の在留資格で就労できる職種とは

技能実習には、第1号技能実習(1年以内の在留)と、第2・3号技能実習があります。第2・3号技能実習に移行することが認められる職種は「移行対象職種」と呼ばれます。移行対象職種は「職種」という分類と、使用する機器や現場、製品の違いなどによって「職種」を細かく区別した「作業」という分類からなり、移行対象職種には必須業務(必ず従事する必要がある業務)が例外なく定められています。

移行対象職種には、下記の75職種155作業が定められています。(2022年4月25日現在)

  • 農業関係(2職種6作業) …耕種農業、畜産農業
  • 漁業関係(2職種10作業) …漁船漁業、養殖業
  • 建設関係(22職種33作業) …さく井、建築板金、建築大工、左官、とびなど
  • 食品製造関係(11職種18作業) …缶詰巻締、パン製造、総菜製造など
  • 繊維・衣服関係(13職種22作業) …紡績運転、染色、婦人子供服製造など
  • 機械・金属関係(15職種29作業) …鋳造、ダイカスト、金属プレス加工など
  • その他(20職種37作業)…家具製作、塗装、介護、宿泊、ビルクリーニングなど
特定技能の在留資格で就労できる職種とは

2020年4月からスタートした、新しい在留資格である「特定技能」は12の業種に分かれています。技術・人文知識・国際業務の在留資格と異なり、単純労働を含む幅広い業務が可能です。

12業種は、介護、ビルクリーニング業、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業です。

外国人雇用を開始する際に必要な手続き

在留資格(ビザ)の取得

外国人採用では、在留資格の取得を企業側でサポートする必要があります。海外に住んでいる外国人を新たに採用するケースについて、在留資格を取得する方法は以下の通りです。

手順1:在留資格認定証明書の交付申請を行う

最初に、外国人が日本で行う活動が取得する在留資格に適しているかを、出入国在留管理局に審査してもらう必要があります。この審査を受け、在留資格の交付を認めてもらうために、「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。

手順2:外国人が現地にてビザの申請を行う

在留資格認定証明書が無事交付されたら、その証明書を現地の外国人に送付します。証明書を受け取った外国人は、現地の日本大使館・領事館で入国に必要なビザの取得手続きを行います。

手順3:日本に入国し、在留カードを受け取る

現地でビザを無事に取得できれば、ビザと在留資格認定証明書を持って入国します。日本への入国が認められると、空港にて在留カードを受け取ることができます。

在留資格の種類によって細かい部分は異なるものの、大体共通して必要となる手続きは以上です。

雇用契約書・就業規則等の確認

外国人と雇用契約を締結します。使用者が労働者を雇用するときは、賃金や労働時間等の労働条件を書面などで明示しなければなりませんので、「雇用契約書」を取り交わすか、または「労働条件通知書」を交付します。

雇用契約書の絶対的明示事項は、以下の通りです。

①労働契約の期間
②就業の場所・従事する業務の内容
③始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業④時転換(交替期日あるいは交替順序等)に関する事項
⑤賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切り・支払の時期に関する事項
⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む)

そのほかにも、以下の⑥~⑩の内容を明示する必要があります。⑥~⑩の内容は口頭での明示でも可能ですが、外国人労働者の理解を深めるためにも書面による明示が望ましいでしょう。

⑥昇給に関する事項
⑦退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払の方法、支払時期に関する事項
⑧臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項
⑨労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項
⑩安全・衛生に関する事項
⑪職業訓練に関する事項
⑫災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
⑬表彰、制裁に関する事項
⑭休職に関する事項

また、社内の就業規則が外国人雇用に対応したものになっているかを確認してください。

外国人雇用の就業規則については、「外国人材の雇用時に就業規則の変更は必要?受入企業が知っておくべき就業規則に関する基礎知識」の記事をご覧ください。

入社にかかわる手続き

労働基準法や健康保険法などの労働関係法令および社会保険関係法令は外国人にも適用があります。基本的には日本人の入社手続きを同じですが、異なる点、注意点をまとめました。

雇用保険加入の手続き

労働に関する法律や法令は外国人にも適用され、要件を満たす場合には雇用保険に加入する必要があります。下記の①及び②の場合は、雇用保険の対象とならないため、注意が必要です。

①昼間留学生の場合

原則として、被保険者になりません。ただし、卒業見込証明書を有する者であって卒業前に就職し、卒業後も引き続き同一の事業主に勤務することが予定され一般労働者と同様に勤務し得ると認められる場合は被保険者となります(通信教育、夜間、定時制の学生は被保険者となります)

②ワーキングホリデー(特定活動)の場合

「特定活動」の在留資格を持っているワーキングホリデーの外国人の場合は、雇用保険の加入対象となりません。ワーキングホリデーというと働くことができると思いがちですが、特定活動の資格を持っていても、パスポートに貼り付けられている指定書に就労できる旨が書いてないと、そもそも就労できません。特定活動の在留資格によって就労する場合は、必ず指定書を確認してください。

①、②以外で、雇用保険の加入対象となる場合は、ハローワークに「雇用保険被保険者取得届」を提出して、資格取得の手続きを行います。

雇用保険に加入しない場合は別途「外国人雇用状況届出書」提出をします。この届出は、日本人の場合は必要ない届出なので、忘れないように注意が必要です。

健康保険・厚生年金保険加入の手続き

被保険者資格取得届を、日本年金機構へ提出します 。これは日本人の従業員に行う手続きと変わりません。手続き期間は事実発生から5日以内です。必要書類は、健康保険、厚生年金保険被保険者資格取得届です。

入社に関わる手続きの注意点

雇用保険、健康保険、厚生年金保険は日本独自の制度であり、外国人にはなじみのない制度です。毎月の給与から、なぜ、保険料が引かれているのか、その保険料を支払うことによって、どのようなメリットがあるのか、人事・総務担当者が丁寧に説明しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。外国人を新規に採用する場合は、日本人であれば当然知っているようなことでもしっかり説明するよう心がけましょう。

外国人受入れ後の体制

せっかく外国人を雇用しても、企業の体制が整っていないと外国人の気持ちが離れてしまい、離職につながることがあります。外国人受け入れ後の体制整備のポイントを紹介します。

外国人材定着のポイント

〇コミュニケーションの円滑化

異国で新しい仕事を始める外国人は、生活習慣や文化の違いからストレスを感じてしまうこともあります。管理部署が定期的に面談を行い、疑問に思っていることや不満を感じていることを早期に発見し、対応していくことが必要です。また、同僚とのコミュニケーションがとりやすくなるよう、職場の風土づくりをしていくことが効果的です。

〇文化の違いを理解

生まれ育った文化が違うので、トラブルが起こる覚悟は必要です。そのトラブルをなるべく回避し、最小限にとどめるためには、受け入れる日本人側が、文化の違いを理解することも大切です。日本人ならではの、言わなくても伝わる、察してくれる、という考え方は外国人には通用しないことが多いので、きちんと言葉で伝えるよう心がけましょう。

〇賃金の見直し

最低賃金法を守るのは当然ですが、外国人だからと言って安い賃金のまま雇用するのでは、仕事のモチベーションが上がらず早期退職につながってしまいます。成果や実力に見合った賃金を払うことで、外国人材は仕事への意欲を高め、将来的に企業に大きな利益を生む存在となってくれます。

〇評価制度の見直し

外国人は、日本の年功序列の賃金制度に疑問を抱き、自分が正当に評価されていないと感じることもあるようです。外国人雇用をきっかけに、明確な評価制度・賃金制度の導入を検討するのも一つの手です。

外国人雇用に関するご相談は江口労働法務事務所へ

広島県には、約5万人の外国人が在留しています。これは全国で15番目の多さです。今後は広島でも人材不足が深刻化し、外国人を受け入れたいと考える企業も増えていくことが予想されます。江口労働法務事務所では、以下の強みを生かして、外国人雇用企業をサポートいたします。

〇行政書士事務所+社会保険労務士事務所

行政書士として、入管手続きのサポートはもちろん、社会保険労務士として採用・労務管理のアドバイスも可能です。外国人雇用に関することをまとめてご依頼いただけます。

〇広島出入国管理局へ徒歩5分の立地

入管手続きでは、出入国管理局へ実際に足を運び書類を提出したり、説明を求めたりする機会が多々あります。当事務所は広島出入国管理局すぐそばの立地をいかし、スピーディーかつ丁寧に申請を行います。

〇広島行政書士会 国際業務協議会会員

担当行政書士は、広島行政書士会国際業務協議会の会員です。行政書士同士のネットワークをいかして日々勉強しておりますので、安心してお任せいただけます。

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